【久々の】タンデムパートナーと話してたら目から鱗が落ちた話【カルチャーショック】

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ども!文法は良いけど単語が覚えられない方、Naz.(@hunnycom_bunny)です!
英単語ってどうやって覚えたんだっけなぁ。言語学習における初心者の最初の壁はここな気がするのでちょっと語彙力増やす勉強方法を模索したいと思います。

さて今日はタンデムパートナーにあってきました。と言ってもわたしのドイツ語力じゃまだ自己紹介くらいがやっとなので、ほぼ日本語と英語だったですが、中々に興味深い話の展開になって、ちょっと眼が覚めるような、ハッとするような出来事があったので、お話したいと思います。

 


タンデムパートナーとは

そもそもタンデムパートナーとはなんぞやとお思いの方もいるかと思うので軽く紹介。バイクの2人乗り用タンデムシートとかがあるので、タンデムって言葉で想像つくかもしれませんが、お互いの母国語を教えあう二人三脚のパートナーのことです。

 

言語学習においては有効で結構普及システムですね。アメリカだとチューターが近いかな。本当はtutorはいわゆる家庭教師なんですが、大学で募集する場合、代わりに自分の母国語を教えるよ!みたいな募集もあるので、割と自然とパートナーシップが成り立っていたりします。

 

言語学習では恋人ができると早いといいますが、要はそれをシステム化したものがタンデムパートナーです。


タンデムパートナーの見つけ方

オンラインで探す

オンラインで探す最大のメリットは手軽さと物理的な距離を考慮しなくていい点です。もちろん、実際に合える距離であることは魅力的ですが、ビデオ通話などを駆使すれば、日本にいながらタンデムを探すことができます。

 

私が利用したのは下記2つのサイトです。

▼TandemPartners

https://www.tandempartners.org/en/

Facebook

https://www.facebook.com/groups/SkypeTandem/

 

アプリで探す

これは前職の職場の方に教えていただいたアプリなんですが、HelloTalkという多言語学SNSアプリがあります。これの魅力は、学習言語を選択すると、その言語を母国語とする相手とマッチングして、自分の投稿がネイティブに表示され、赤ペンを入れて他の人が直してくれる機能があること。質問なども投稿しておくと、誰かしらが応えてくれたりするので、なかなか面白いアプリだなと思っています。

 

私は無料版を使っているので学習言語に選べるのは1言語なんですが、有料版を使うと複数の学習言語を選ぶことができます。今現在は日本で使ってきたときのまま英語を選んであるんですが、そろそろドイツ語に切り替えようかな。

 

▼Hello Talk

https://www.hellotalk.com/

 

掲示板で探す

掲示板といっても某匿名巨大ネット掲示板ではなく、大学などの張り紙が張られている現実世界の掲示板の方です。この方法を活用できるのは学生がメインかと思いますが、アメリカなどの場合こういった掲示板がスーパーなどにもあったりするので、お住いの地域によっては学生じゃなくても、活用可能です。

 

ドイツは今のところまだ見かけてはことはないんですが、カルチャーセンターとか言ったらあるかなぁ...?VHSにも張ってないか、よく探してみようと思います。


目から鱗だったお話

さて、本題ですが私が今日あったタンデムの子は、ベトナム移民2世のベトナム系ドイツ人の女子大生でした。見た目は完全にアジア人ですが、ベルリン生まれのベルリン育ち。日本の歴史と文化を専攻していて、今日話した感じ、とてもよく勉強しているな、という印象でした。

 

今大学では明治維新と近代作家を勉強しているそうで、今日のトピックスのメインは近代作家でした。なにせここはベルリンなので、ベルリンと日本の近代作家といえば、森鴎外は外せません。そこから派生して西周の名訳「愛=LOVE」の話をしたり、夏目漱石の「月がきれいですね」について質問されたり、はては三島由紀夫の話をしたり、日本人としてもなかなかしないようなトピックで大変面白かったです。

 

そして私が今日一番、興味深くそして目が覚めるような鮮烈な印象を受けたのが彼女のご両親の話でした。ベトナム移民1世のご両親は、なんとベトナム戦争中に東ドイツに移住したそうで、正直この話を聞いた時、「なんで東ドイツ?????」と思いました。というか、言いました。

 

これ多くの日本人が同じように思ってくれるんじゃないかと思うんですが、我々日本人にとって東ドイツといえば、ほぼイコール東ベルリンを思い浮かべるんではないかと思います。つまり、壁を越えて逃げ出したい国、という認識です。なぜ、あえてそんな国に亡命するのか、と一瞬本気で思いました。

 

そして彼女はこういったのです。「東ドイツは、ベトナムをたくさん支援していたので...」


そうだよね!!!!!!!!!

 

本当に、ハッとしました。ベトナム戦争って、どことどこが戦っていたか。そう、ベトナムアメリカです。アメリカでもいまだに深い傷が残る戦争です。そして西ドイツは主にどこの統治下であったか。そう、冷戦最中のアメリカです。つまりベトナムにとって、西側諸国の西ドイツは敵にも等しい訳です。

 

冷静に考えればわかる話ですが、何よりも私がハッとしたのは、自分がいかに西側の価値観をもった人間であり、そしてそれをスタンダードと思っているか、ということをまざまざと見せつけられたような気がしたことです。

 

ご存知の通り、戦後の日本はアメリカに統治され資本主義国として西側勢力の最東端でした。というか、中国やロシアは今も共産制なのえ、今でも最東端ですね。終戦から70年以上たった今、大抵の日本人は資本主義の日本しか知りません。いうなれば資本主義であることは「当然」なのです。だって生まれたときから資本主義だから。

 

そして冷戦を戦った共産主義の筆頭ソ連は、東側勢力の優等生だった東ドイツが抜けたことで一気に崩壊の道をたどります。これは主観でもなんでもなく純然たる事実です。

しかし私は無意識のうちにこれらの事実から「資本主義こそスタンダード」という主観を持っていたようです。だから、東ドイツに逃れたと聞いた時に、「なぜあえて、スタンダードを外れて国民が逃げ出すような国を選んだのか」という発想に至ったわけです。

 

しかしもともと共産主義国家の人にしてみれば、「共産主義こそがスタンダード」であり、同じ思想の東ドイツに逃れることは何ら齟齬を生みません。ましてや、西ドイツを統治下においているのは、今まさに泥沼の戦争をしているアメリカ。そんな状況下で東ドイツを選ぶことは当然の選択といえます。

 

そのこと気づいたときに、いかに自分が西側スタンダードの価値観をもって生きてきたのかと思い至り、本当に目から鱗が落ちました。ある意味ではとてもショックだっといえます。

 

私は、基本的に自分は自分と異なるものに対し寛容で柔軟な人間だと思っていました。自分を形成する文化やバックボーンとは異なる文化や宗教について、自分は同じように感じられないけれど、貴方の主義主張は尊重できるよという考えでいるし、外国に住んで日本と異なる様々な不便も、郷に入っては郷に従えの精神で、そういうものだと思っています。

 

性的嗜好で言っても、自分はノーマルだけどLGBTについて別段嫌悪も否定もありません。というかこれに関しては特別な感情は持ちあわせていません。言い方は悪いけどいうなれば興味がありません。もちろん、法的加護がない問題なんかは積極的に話し合って取り組むべき問題であると思っていますし、そういった点で関心がないわけではないんですが、対個人でプライベートの恋愛話となると、力んで「自分LGBTに理解あるよ!」みたいなのも、いやなんで逆にお前上から目線なの?くらいに感じてしまうくらい、私にとって他者がそうした嗜好の持ち主であっても、ヘテロの人と同じくくらいどうでもいいんです。他人の恋バナ特に興味ない。

 

過去に友人にそういったカミングアウトされたことがありましたが、結局その時の感想も「いや、お前とは男の趣味あわねぇわ」くらいでした(自分は渋いおじさん好み、友人は若いイケメン好みだったので。笑)

 

話はそれましたが、そんな具合で自分はジェネラルで中立的な人間であるとこれまで思ってきたわけです。それが、今回のこのお話を聞いて、脆く崩れ去ったわけです。無意識でも自分は西側諸国の立場で、その価値観を持った上でこれまで物事を判断してきたわけです。中立というにはあまりにも偏っています。

 

というか、よく考えたらものすごく恥ずかしいですね?自分で自分を柔軟で中立ってどれだけ傲慢なんだと、ちょっと穴掘って潜りたいくらいの衝撃でした。あ、時間がたって冷静になってくると、ほんとちょっとこれ恥ずかしいな。うわあああああああああ。

 

特にこれまで自分の周りには、西側の人間の方が圧倒的に多かったので今回の彼女の話は本当に新鮮で、とても興味深かったです。これぞ異文化コミュニケーションだなと思います。本当に面白い。語彙力なさ過ぎて面白いしかいえないくらい面白い。これだから私は日本ではない国にいたいなと思うのです。初日に行ってた推し云々の話は、その行き先を選んだ理由なだけで、私自身、こうして日本ではない国で、日本の文化とは異なる文化をもった人たちと交流するのはとても刺激的で知的欲求を満たすライフワークのようなものです。


ああ、ほんと。思い切ってベルリン来てよかった。人生楽しい。